海外居住者にとって脅威であるマイナンバー制度。
2019年以降、銀行口座とマイナンバーの紐付けが云々~~と聞いて不安に思った方が多いと思います。
結論からいえばマイナンバーを持っていなくとも、利用している銀行 / 証券会社によっては2019年以降今まで通りの生活が出来る可能性が高いです。
何故なら、各金融機関によって2019年以降の対応が違うからです。とある銀行は「無くとも大丈夫ですよ~」と言い、別の銀行は「利用できなくなります」と言っています。訳がわかりません...
はっきり言ってマイナンバー制度はまだまだの状態です。どこに聞いても部署・支店・担当者レベルでみんな言うことがバラバラです。
そのためあなたがすべき事は
- 利用中の銀行 / 証券会社に「マイナンバーが出せないと利用できなくなるのか」と聞く
- 海外居住者である事、もしくは顧客である事は言わない事
- 大丈夫であればそのまま使い、ダメであれば潔く相談する or 別サービスを使う / 探す
この3つだけです。
ただし、これらは「今現在(2018年12月時点)」での話であるため、今後変わってしまう恐れがあります。
そのため、日本に一時帰国してマイナンバーを取得・登録し、海外居住者用サービスだけを利用する事が最も無難な道になります。
さぁなんのこっちゃ分かりませんよね。私も意味が分かりません。
あなたと同じ海外居住者である私が、この不可解な謎を説くべく実際に日本に帰って市役所や総務省、内閣府や10以上の銀行に直接・電話でゴリッゴリに聞いてきましたので、それを元にした確かな情報をお伝えします!
そして、 マイナンバー問題ももちろん大事ですが、「海外居住者なのに、日本居住者用サービスを使っている問題」についても忘れてはいけません。この記事ではこの問題にも触れて行きます。
まずはあなたがお使いの銀行か大丈夫かどうか確認しましょう。
- まずは結論 : 大丈夫 / アウトな銀行早見表
- 救いの手。2019年中に「海外居住者向けマイナンバー制度の適用」が行われるかもしれない
- なんでこんなことになってんの?ネットの情報と全然違うんだけど?→ マイナンバー制度はまだまだガタガタなのです..
- マイナンバーも問題だが、海外居住者なのに日本在住者のみに提供されているサービスを利用している事も問題
- 海外居住者が知っておくべきマイナンバーの6つの知識
ソースのある情報を元に記事を書いていますが、あくまで個人の意見だと認識してください。行動に移す前に、必ず一時情報である銀行や各政府機関などに確認を入れてください。
まずは結論 : 大丈夫 / アウトな銀行早見表
冒頭でお伝えした通り、みんな言うことがバラバラです。なので、必ずあなた自身で電話して確認することを推奨します。
UFJ銀行 |
みずほ銀行 |
ソニー銀行 |
三井住友銀行 |
楽天銀行 |
りそな銀行 |
新生銀行 |
イオン銀行 |
ゆうちょ銀行 |
セブン銀行 |
証券会社を利用中の方はこちらの記事をご覧ください。
2018年の夏頃までは大半の銀行が大丈夫だったのですが、それ以降利用出来なくなった銀行が一気に増えました。
各銀行のそれぞれの言い分
電話で確認したところ、以下のような回答でした。
UFJ銀行 |
マイナンバーの提出がなくとも柔軟に対応していく。提出が無かったからと言って、いきなりサービスを停止・制限をする事はない。海外居住者の方であればそもそもマイナンバーの提出を求めない場合もある。グローバルダイレクトサービスを利用していただく事で、問題なく海外送金等を行なっていだけます。 |
---|---|
みずほ銀行 |
マイナンバーの提出がなくとも柔軟に対応していく。そもそも国内居住者向け提出をお願いしている。しかし新規の口座開設は難しい。 |
ソニー銀行 |
提出をしなくとも大丈夫だが、ご登録は義務であるため、可能な限り登録をしてほしい。海外の方はそもそもマイナンバーがないため、ご帰国の際などに取得し提出をしてほしい。 |
三井住友銀行 |
海外居住者の場合は提出不要。申し出ていただければそのままお使いいただけます。 |
楽天銀行 |
提出は義務であるため、マイナンバーの提出がないと、海外送金などの一部サービスを制限します。 そしてそもそも海外居住者用サービスはなく、国内居住者様のみ利用いただけます。 |
---|---|
りそな銀行 |
システムの関係上、マイナンバーの提出が必須になっているため一部サービスの利用が難しい。そして海外居住者向けのサービスはそもそもありません。 |
新生銀行 |
マイナンバーの提出がないと一部サービスの利用ができません。2015年以降に口座を作られているお客様であれば、申し出により対応させていただくが、そもそも海外送金は窓口での受付となっている。 |
イオン銀行 |
そもそも海外送金サービスを行っていないため、マイナンバーに関係なく利用していただけない。投資信託はマイナンバーの提出が必須です。 |
ゆうちょ銀行 |
2019年以降使えなくなります。また、そもそも海外居住者の方にはサービスを提供していないため、その場合は解約していただくことになります。 |
セブン銀行 |
まだ定かではないが、使えなくなる可能性の方が高い。さらに海外居住者の方にはご利用いただけないので、解約してもらうことになる。 |
大丈夫な方はひとまず安心して良いでしょう。念のためお使いの銀行に電話で確認してください。
アウトだった方はさらにここから「完全にアウトな方」か「別会社のサービスを利用する事で解決できる方」の2つに分かれます。
アウトな方ができなくなる事一覧。海外送金だけを行いたい方は「別サービスで解決」それ以外の方は「完全にアウト」になります。
外国送金 |
|
---|---|
投資信託・債券 |
|
マル優・まる得 |
|
金融商品仲介 |
|
財形預金(住宅・年金) |
|
みずほ銀行 : 個人番号届出について
三井住友銀行 : マイナンバー制度について
りそな銀行 : マイナンバーのご提供のお願いについて
新生銀行 : 個人番号(マイナンバー)
三菱UFJ銀行 : マイナンバー制度について
証券会社 |
新規口座開設と株式・投資信託の売却代金及び配当金の支払いを受けれなくなる 平成28年1月1日より、新たに証券会社とお取引されるお客様は、口座開設時にマイナンバー(個人番号)を証券会社に提供していただく必要があります。 |
---|
どうでしょう?海外送金だけをしたい方は「別サービスで解決」する事ができ、それ以外の方は「完全にアウト」になってしまいます...
ただしご安心を、ご覧の通り「口座が凍結」してしまうわけではありません。
あくまで海外送金などの一部サービスが使えなくなるのであって、口座はそのまま使えるという事ですね。
海外送金だけをしたい方で、以下の条件をクリアできる人はWiseで解決する事ができます。
この中で「海外送金(受け取りは別)」だけを行いたい方はWise(トランスファーワイズ)を利用する事で解決することができます。
- インターネット上もしくは何かしらの形で日本国内送金ができる状態
- 日本またはお住いの国に、郵便物の受け取りができる住所をお持ちの方
- お住いの国でWiseの登録ができる方 (要確認)
- Wiseの 取り扱い通貨 / 国 にお住まいの方(こちらも要確認。通貨一覧 / 国一覧)
この条件が揃っていれば「海外送金を問題なく行える状態」にすることができます。
Wiseとは、簡潔に言うと「最もお得で簡単に海外送金を行えるサービス 海外送金界の吉野家」です。
2011年から立ち上がったこのサービス。今では注目を浴び300万人以上の全世界のユーザーがおり、毎月20億ポンド(約3000億円)分の送金が行われるにほどにドカンと成長したサービスです(2018年5月時点)
しかもこのサービス「マイナンバー不要」なのです。
海外から日本へ海外送金出来るサービスを7つ比較して見ましたが、やはりWiseがダントツでした。
海外通貨受け取りを含むそれ以外のサービスを利用中の方はアウトな可能性が高いです。
「海外送金以外をお使いの方」は完全にアウトになってしまう可能性が高いです。
心苦しいですが、お使いの銀行・証券会社に相談する事をお勧めいたします。
しかしここで救いの手が!2019年中に「海外居住者向けマイナンバー制度の適用」が行われるかもしれない
- 完全にアウトだった方
- どうしても銀行を使いたい方
はこちらの制度を待ってみるのも一つの手です。
マイナンバー、海外在住者も使用可能に ネットで投票も https://t.co/4pUTZ0fTOv
— 朝日新聞(asahi shimbun) (@asahi) 2018年5月25日
総務省は、海外に住む日本人もマイナンバーカードを使えるようにする方針を決めた。納税や年金受給の手続きなどが、郵送でなくインターネットでできるようになり、行政の事務負担も減る。制度の概要を6月中にもかため、早ければ来年の通常国会に関連法の改正案を提出したい考えだ。
いつにどうなるか などの明確な確定事項ではありません。
しかし、海外在住者もマイナンバーが問題なく使える日がくるかもしれません。
この改正案がどうなるかを見守りつつ、マイナンバーを取りに行くべきかどうか検討した方が良いかもしれません。
海外送金の受け取りを行いたい方 :下記4通貨のどれかで受け取れれば良い方はWiseの「ボーダレス口座」のサービス開始を待つのも手です。
こちらもWise(トランスファーワイズ)のサービスです。もちろんマイナンバー不要です。(2018年12月時点)
まだサービス自体開始されていませんので待つ必要があります。
一言で言えば「アメリカ・オーストラリア・イギリス・ユーロ圏内の通貨を保存できる銀行口座のようなインターネット上のサービス」です。
上記4通貨以外は受け取りができない予定ですが、上記4通貨を受け取った後、日本円を含む40通貨以上に変換することができます。
こちらも同じく「最安の手数料+変換レート」なので、単純にサービスを利用するだけでも海外送金・受け取りを数千円から数万円安くすることが出来ます。
詳しくはこちらをお読みください。
さて、ここまでで大丈夫な方とアウトな方、完全にアウトな方を紹介しました。
大丈夫な方はひとまず安心していただいて、完全にアウトな方は速やかに相談しましょう。
なんでこんなことになってんの?ネットの情報と全然違うんだけど?→ マイナンバー制度はまだまだガタガタなのです..
ネットだけで調べてしまうと、あたかも2019年以降から全ての銀行・証券会社が利用できなくなるような印象を受けますが、実際はそうではない事がお分かりいただけたかと思います。
「マイナンバー提出しなくても使えますよ」と言ってもらえるのはありがたい事ですがwebサイトの情報と全く違っています。何が何だか...
大丈夫な銀行が揃って口にするのは
- マイナンバーがないからと言って、いきなりサービスを停止するような事はしない
- webに書いてある事は「日本居住者」に対して言っています
との事...うーむ
平たくいえば、マイナンバー制度の進行が予定通りにいっていないため、法整備や規定などズレが生じてきているため、柔軟な対応が必要
平成30年7月1日時点で、全人口の11.5%に交付できているそうです。11%て...
そのため、本来の予定とは裏腹に柔軟な対応を行っていかなければいけない状態だという事です。
金融庁は、マイナンバーを持参し忘れた顧客などに対して一律に手続きを拒否することは「顧客の利便性や、正確な顧客情報の把握の観点から望ましくない場合もある」と指摘。銀行が行政処分などを過度に恐れたり制度への理解が不足したりして、顧客本位の対応ができていない可能性があるとみている。
通知では、顧客の事情に配慮を要請。次の来店の際にマイナンバー提供を依頼することなどで、手続き自体は受け付けるといった「柔軟な対応を行うようお願いする」と呼び掛けている。
しかし、そうと金融庁は言うものの「海外送金 / 投資信託 / NISA口座」などは2015年から3年間の経過措置があったため、銀行の規則により使えなくなる可能性が高いです。
ただし、障害者等の少額預金の利子所得の非課税および少額投資非課税制度(NISA)など、個人番号の告知がその制度の適用要件となっているような取引においては、個人番号の提供を受けられない場合は、制度を適用することは出来ません。
しかし、冒頭付近であった表のように、全ての金融機関がそれに当てはまるわけではありません。
中には「提出に義務も法的処置もない」と唱えるかたもいらっしゃいます。参考にご覧ください。
Yahoo知恵袋 : 証券会社にマイナンバーを提出しなくても取引は継続可能ですか?
Yahoo知恵袋 : マイナンバー提示拒否で口座凍結? 新☆銀行で引越し後...
ゆうちょ銀行から海外送金についてのメールが届いた。
— Amy (@get_high_TBD) 2018年11月19日
来年の1月から海外送金(受け取り)する場合はマイナンバーの登録が必須になると。
一定額以上の大きな金額が動いたら銀行だけじゃなく国にも反応される様になるのか。
少額でも海外送金する事があったら嫌だなぁ。
>マイナンバーは絶対必要ですよ!でも、 書かずに提出しても 大丈夫ですよ!
— 枯山水 I hate ABE (@kare3sui_R) 2018年3月13日
この返答矛盾してるじゃないか。
絶対必要じゃないって事じゃ無いか。
税務署は担当者も嘘つくのかよ。 https://t.co/wUbqGh54Gm
ご覧の通りいろんな情報が錯綜しておりガッタガタです。
国内でこの状態なので、海外居住者となるとまだはっきりとしていない部分が多いのです。
銀行や市役所、総務省などに「今後はどうなるのか」を電話をして確認して見ましたが、「それは銀行さんに聞いてください...」「それは国の決めた事なので政府に聞いてください...」と見事にたらい回しにされます。
なので今後も十分に目を見張る必要があります。
しかし!海外居住者のあなた!
マイナンバー問題もありますが、「海外居住者なのに日本居住者向けサービスを使っている問題」についても考えなければなりません。
マイナンバーも問題だが、海外居住者なのに日本在住者のみに提供されているサービスを利用している事も問題
「私は海外居住者用サービスを使っている!!」という方は大丈夫です。ご安心ください。
知らなかった方、もしくは分からなかった方は認識しておくべきです。
銀行口座・証券口座などのサービス。
これらは「海外居住者 / 日本に居住していない方」は本来利用できません。
本来は非居住者である事を申し出て、別の非居住者用のサービスに移行する必要があるのです。
さもなくば、マイナンバーの有る無しに関わらず、最悪の場合「口座を停止・凍結」させられるケースがあるのです。
非居住者になると色々面倒だな。
— MEGUMI (@okamegu0514) 2018年11月14日
せっかく積み立ててきた投資信託も全部パア🤷🏻♀️しかも楽天証券は保有もできないから口座を解約しないといけない、、、SBIにしとけばよかった💸
死角が全くないように見える住信SBIネット銀行だけど、これはあかんなと思うのは海外に転勤とかで非居住者になる場合に救済措置が全くない点。非居住者は口座強制解約だからこれメイン口座にするのリスク高いよな。
— (๑╹◡╹๑) (@tsuchie88) 2018年9月29日
マイナンバーで海外在住者の送金が止められたと騒いでいるようだけど元々外為法で日本国内在住時に作った銀行口座でも日本から出た時点で非居住者として扱われて口座から入出金する場合全て当局に届けなけばならないと規定されている。その届けを銀行によったら面倒だから海外へ行く場合解約となる。
— moto (@motonm) 2016年2月18日
楽天証券 |
国内非居住者の場合、弊社でお取引を行うことはできません。 そのため、国外に転出なさる場合、弊社でお預りしているご資産をなんらかの方法(売却、出金、他社へ移管等)により、すべての残高をなくしていただき、総合取引口座の解約のお手続きをお願いいたします。続きを読む |
---|---|
SBI証券 |
当社に証券総合口座をお持ちのお客様が、海外勤務等の理由により一時的※1に出国「(本邦)非居住者」される場合、出国後のお取引については制限がございますが、原則、帰国されるまでの間も当社の証券総合口座(お客様名義)にて有価証券等※2をお預けいただくことが可能です。 なお、出国後に「(本邦)非居住者」に該当することが判明した場合、当社にて速やかにお取引の制限、特定口座やNISA口座(ジュニアNISA口座)の廃止などの手続きをさせていただきますのでご了承ください。続きを読む |
松井証券 |
海外転勤等の理由で、非居住者と定義される場合、所定の手続きが必要です。 手続きについてご案内しますので、必ず出国前に松井証券顧客サポートまでご連絡ください。続きを読む |
カブドットコム証券 |
海外にお住まいになる場合には非居住者と定義されるため、原則口座解約の手続きをお願いしております。 手続き方法をご案内いたしますので、当社サポートセンタ-へお電話にてご連絡ください。続きを読む |
UFJ銀行 |
グローバルダイレクトに登録すれば海外でもサービスの一部を利用することが出来る続きを読む |
---|---|
りそな銀行 |
当社所定の方法により、当店とのすべてのお取引きを解約、またはその後の全部または一部のお取引きを制限できるものとします。 ⑭非居住者と判明した場合続きを読む |
みずほ銀行 |
みずほ銀行ダイレクトを扱える方は日本国内にお住まいの個人のお客さま。 ただし「みずほ非居住者円預金」は非居住者のお客様用のサービスのためこちらを利用することが出来る続きを読む |
三井住友銀行 |
日本国内在住の個人のお客さまであればご利用いただけます SMBCグローバル・ダイレクトサービスを利用すれば海外居住者の方でも利用できます続きを読む |
新生銀行 |
新生総合口座パワーフレックスは、日本国内に居住される個人のお客さまにご利用いただけます。 非居住者(海外に1年以上滞在を予定されている場合も含まれます)は口座開設いただけません。続きを読む |
なのでマイナンバー云々の前に、海外居住者でありながら「日本居住者用のサービス」を使っている事がグレーな事になってしまいます。
海外居住者の定義は以下です。
- 海外に1年以上暮らしている、または、暮らす予定がある
- 期間の定めのない海外転勤、海外留学
1 国内法による取扱い 我が国の所得税法では、「居住者」とは、国内に「住所」を有し、又は、現在まで引き続き1年以上「居所」を有する個人をいい、「居住者」以外の個人を「非居住者」と規定しています。 「住所」は、「個人の生活の本拠」をいい、「生活の本拠」かどうかは「客観的事実によって判定する」ことになります。
国税庁 : 居住者と非居住者の区分
海外永住者は「解約」とされているところが多い印象です。
あなたの銀行も確認して見ましょう。
さらに、特定の方で虚偽の申請がバレてしまった場合、懲役または罰金をくらう可能性があります。
全ての人ではないのでご安心ください。
一言で言うと、「提出した書類に嘘を書いた人」が対象です。
特定の方とは
- 2017年1月1日以降に新規口座を開設された方で、「居住地(どこに住んでいるか)」を海外にせず開設された方
- 2016年12月31日までに口座を作った方で、かつ銀行側から送られる「届出書(任意届出書)」を受け取った方。そして、書類の中にある住所の欄に海外だと書かずに提出した方
これらの方は「実特法」に抵触する恐れがあります。
新規の届け出もしくは任意の届け出若しくは異動届け出に虚偽の届け出がされた場合には、6月以下の懲役又は50万円以下の罰金を科される恐れがございます。なお、新規口座開設において、新規の届け出を行わなかった場合も同様です。
この制度の全体像を知りたい方はこちらをお読みください。
1の方は「口座を開設した時に、住んでいる場所」で嘘をついていないかどうかがポイントです。
2の方は、すべての方が「届出書(任意)」を受け取るわけではないので、受け取った方限定の話です。そして提出は任意です。
両者に言えるのは「作った時は日本に住んでいた。しかし、海外への居住が決まった時点で「異動届」を3ヶ月以内に出す必要がある」と言うことは共通しています。
なので、虚偽はもちろんアウトで、異動届を出さなかったと言うのは黒よりのグレーです。
忘れていた・知らなかったと言う方が多いと思うので、この問題はしっかりと把握しておくべきです。
海外居住者である事は基本的に自己申告制。言わなければ今まではバレなかった。が、マイナンバーの登場により厄介な問題に...
- 自己申告しなければ海外居住者である事はバレなかった(真っ黒よりのグレーです)
- しかしマイナンバーが出てきた事で、マイナンバーを取得して登録する必要がある
- しかし、日本に住んでいないのでマイナンバーがわからない / 取得出来ない
- 困る
- 相談したいが、相談すると海外居住者である事がバレるため相談もできない
- 困る
という事です。
ご覧の通り、マイナンバー自体も問題なのですが、マイナンバーのせいで海外居住者がバレる問題も浮上してきたという感じです。
しかしご安心を!この点についても確認しましたが「しょうがないので特に何もしない」という金融機関が多かったです。
- 発覚したからと言っていきなり停止したりはしない まずは相談から
- 顧客が全てを周知できるとは考えていないので、柔軟に対応する
- というかそもそも自分から言ってくれないと分からないからどうしようもない 笑
という意見がかなり多かったです。
どないやねんって話ですが銀行のお姉さんもなぜか半笑いでした。
もう...よく分かりませんがありがたい事には変わりありません。
しかし、これは今現状での話であり、今後何が起こるかは分かりません。
じゃあどうすればいいねん!→ マイナンバーを取得して登録し、海外居住者用サービスだけを使うのが最も安全です。
最も安全な道は
- 日本居住者用のサービスを利用するのはやめましょう。
- 海外で代わりのサービスを探しましょう
- マイナンバーを取得し必要であれば提出しましょう。
- 問題がある場合、正直に相談しましょう。
これが最も問題のない方法です。安心安全な海外ライフのために私はこれを推奨します。
とは言えそれが出来なくていまの状況になっているのは重々承知です。
そのため推奨はしませんが、沈黙しておくのが吉かもしれません...
さてここまでで、2019年以降のマイナンバー問題と海外居住者問題の概要と対処法についてお話をしました。
大丈夫だった方もアウトだった方も必ず電話で確認し、相談してください。
- 利用中の銀行 / 証券会社に「マイナンバーが出せないと利用できなくなるのか」と聞く
- 海外居住者である事、もしくは顧客である事は言わない事
- 大丈夫であればそのまま使い、ダメであれば潔く相談する or 別サービスを使う / 探す
最後に、海外居住者の方が知っておくべきマイナンバーのことについて話して終わりにします。
海外居住者が知っておくべきマイナンバーの6つの知識
色々調べていく中で、これはあなたも知っておくべきだと思った事を6つお伝えいたします。
- マイナンバーを提出するとどのみち海外居住者なのはバレるんじゃないの?→銀行・証券会社にはバレません。国にはバレています。
- マイナンバーの番号だけであれば、海外に住んでいても知る事ができる人がいます。→ しかし番号だけなのであまり意味がありません..
- マイナンバーを取得するのに、最低でも何日日本にいないと行けないの?→最短平日1日で取得する事ができます。
- 仮に日本に一時帰国してマイナンバーを取得したとして、いつまでに銀行・証券会社に提出しないと行けないの?→ 一時帰国中に提出するべきです
- 海外居住者用の口座を作りたいんだけどどこがいいの?→UFJかSony銀行がオススメです。
- 海外送金周りは、とりあえずwiseがあれば大体解決できる。海外送金を安く行いたい方にはうってつけです。
1.マイナンバーを提出するとどのみち海外居住者なのはバレるんじゃないの?→銀行・証券会社にはバレません。国にはバレています。
マイナンバーを提出したとて、その情報で日本に居住していないのがバレるんじゃないか。という質問を以前いただいたのですがバレません。
何故なら「法令で定められた目的以外で利用することは出来ず、金融機関であったとしても、特定の一部の情報しか扱えないから」です。
マイナンバーは、法令で定められた目的以外では利用することができません。
銀行は、所得税法などの定めにもとづき、投資信託をはじめとする証券取引や外国送金(支払い・受取りなど)取引などに関する法定書類(税務当局に提出する書類)の作成などに、マイナンバーを利用します。
金融機関は、書類作成のためにマイナンバー番号が必要なだけであって、住所や名前等の情報は使わない扱えないという事です。
なので、海外居住者である事は自分から言わない限りは今の所金融機関側が知る余地はありません。
そのため、安心してマイナンバーを提出しても良いという事ですね。
ただし、バレなかったとてグレーであることに変わりはありませし、国にはモロバレです。
「あれ?こいつ海外に住んでんのになんかおかしくね?」と税務署などからお尋ねが来るかもしれません。
そのため推奨はしませんし、行う際には自己責任でお願いいたします。
2.マイナンバーの番号だけであれば、海外に住んでいても知る事ができる人がいます。→ しかし番号だけなのであまり意味がありません..
- 2017年10月以降に日本を出た方
- 同戸籍者がまだ日本に住んでいる方 (両親・夫妻・子供など)
上記に当てはまる方であれば「住民票の除票」を同じ戸籍の方に代理申請をしていただく事で知る事ができます。
住民票の除票とは、平たく言えば「前に登録していた住民票情報を載せた書類」です。
同じ戸籍の方に代理申請していただく事で、マイナンバー番号が書かれた除票を見る事ができます。
ただし、番号だけではあまり意味がありません。
なぜなら、マイナンバーが必要なときには、番号だけでなく「通知カード / マイナンバーカード / マイナンバー記載の住民票」が必要なため、番号だけでは何も出来ません。
何かの理由で「番号だけ知りたい時に使う事が出来る」と思っておいてください。
3.マイナンバーを取得するのに、最低でも何日日本にいないと行けないの?→最短平日1日で取得する事ができます。
私もこれでマイナンバーの取得→登録まで出来ました!
市役所が空いている平日に転入届+マイナンバー入りの住民票を発行してもらう事で、最短1日で番号をゲットする事ができます。
さらに、銀行へのマイナンバー提出には「マイナンバー入りの住民票+本人確認書類」があれば出来るため、取得から登録まで最短1日で可能です。
あまり長期で滞在出来ない方にはオススメの方法です!
ただし、あなたが滞在する市役所によっては「転入届+住民登録」を受け付けてくれないところもあるようです。本当は受け付けないなんてダメなんですけどね...
ポイントとなるのは2点。以下が満たされていると問題ありません。
- 生活の拠点となる「生活本拠地」があるかどうか → ちゃんと生活する住所と家がありますよ
- 滞在期間 → 長く住民になるかどうか (住民税払ってね)
1は「日本に住所がない / 家族が誰も日本に住んでいない 方」には最短1日は厳しいかもしれません。賃貸をするところから始まりますからね。
2はいくら短い滞在であったとしても「いつ帰るかまだ決めていない」とだけ言っておけば大丈夫です。
住民登録をする法律や決まりに期間の長さは関係ありませんのであしらっておけば問題ないです。
4.仮に日本に一時帰国してマイナンバーを取得したとして、いつまでに銀行・証券会社に提出しないと行けないの?→ 一時帰国中に提出するべきです
マイナンバーの提出はインターネットやアプリでも可能です。なので海外からでも登録出来ると思ってしまいますがそうではありません。
マイナンバーの登録には「マイナンバーカード / マイナンバー通知カード / マイナンバー入りの住民票」が必要だからです。
そして、これらは海外にできる時 / 転出届を出した時に返納しなければなりません。
つまり、提出しないといけない物を全て返した状態で海外に出ることになるので、海外から登録したくとも出来なくなってしまいます。
返納しない方法もあるのですが、何れにしても虚偽の申告になってしまいます。
住民票は返納しませんので、それを海外に持って行って6ヶ月以内に海外から登録することは可能ですが、これもやはり虚偽の申請になってしまうのでお勧めしません。
そのため、日本に一時帰国した際に一緒に銀行・証券会社に提出するのが一番無難な方法になります。
5.海外居住者用口座ってどこで作ればいいの? → UFJ銀行かSony銀行がオススメです。証券会社は残念ながらありません。
海外居住者用口座とは、海外に居ながら
- 海外送金・受取が問題なく行える
- インターネット上で口座の確認等が行える
- 堂々と使える
口座の事です。
全ての銀行が提供しているわけではありませんので、あなたがお使いの銀行で利用できるか確認し、念のためにも必ず用意しておきましょう。
私はUFJ銀行とSony銀行を使っています。
UFJ銀行 |
日本最大手であり、柔軟な対応をしてくれます。 グローバルダイレクトに登録すれば海外でもサービスの一部を利用することが出来る。ただし、海外送金手数料などはあまりお得ではない。 グローバルダイレクトサービスについて |
---|---|
Sony銀行 |
外貨に最も強く、日本円以外に10通貨をも扱える外国通貨口座を開設する事ができる。 さらに、で海外でも使えるデビットカードデビットカードはは最安。 外国送金について |
UFJ銀行は日本最大手でありながら、他銀行と比べ柔軟な対応をしてくれるから。
Sony銀行は外貨に強く、いざという時にドルや中国元などの12個の海外通貨に切り替えが出来るためです。
3.海外送金会社って何よ? → 日本で国内送金さえできる状態であれば、全国82カ国以上に送金が可能な「Wise」という海外送金会社の事です。
私が最もオススメしたいのが「Wise / ワイズ」です。
一言で言うと、「国内送金できる状態であれば、40通貨以上の国に海外送金する事ができるサービス。しかも最安。」
- 海外送金を最も安く行える。銀行と比べると数千円から数万円安くなる
- 2018年12月時点で40通貨以上の取り扱いがある。大体の国に送る事ができる(要確認 : 取り扱い通貨について)
- 日本国内で「国内送金」出来る状態であれば、wiseを使って海外送金できる
- つまり、マイナンバーの提出が出来なくて「海外送金」を銀行から行えなくなったとしても、「国内送金」はできるため「Wise」を使う事が出来る
- そしてマイナンバーの提出は必要がない (2019年1月時点)
- さらに、銀行口座に取って代わるサービス「ボーダレス口座」も今後出る予定
箇条書きで要点だけ並べましたが魅力的だと思いませんか?
私も普段からゴリッゴリに使っています。
海外送金手数料 送金手数料 |
3000円 | 2,805円 |
---|---|---|
為替レート | 6007CAD (83.23) |
6128CAD (81.59) |
中継手数料 | 約1250円 | 無し |
受け取り銀行側の手数料 | 約1250円 | 無し |
支払う手数料の合計 | 15,372円 為替レートの差額込み |
2,805円 |
50万円を送る場合、約1万3千円も節約する事ができます!(17年4月28日の為替レートで計算 レート=81.59 TTS=83.23)
Wise、みんな送金手数料が安いってことはよく言ってるけど、エクスチェンジレートが大手銀行より断然いいんだわぁ。
— れん@ホアヒン in Thailand (@len_kilishima) 2018年11月24日
日本からカナダに持ってくるとき、以前は手持ちでこちらの両替所で換金してましたが、最近はTransferwise使ってます。向こうへ送る時もいいかもです。
— Kelly🌕 (@kellydawk) 2018年11月22日
wiseすごい速い。日本の今日の朝に日本で送金処理して、10時間後にはドイツの銀行口座にお金が振り込まれてる。なんならドイツ国内の銀行送金より速いんだけどどうなってるの?!?!?!
— はの (@hasegawanco) 2018年11月19日
兎にも角にも海外居住者には救世主のようなサービスである事は間違いありません。
ここに書いてしまうと長いので、こちらをご覧ください。
最後に : 2019年問題の次は2021年問題が控えています。マイナンバー問題の解決はお早めに
なんと「銀行口座自体のマイナンバー番号の付番」が2018年1月から既に開始されています。
こちらも2018年1月から2021年末までの3年の経過措置があり、現在任意での提出が求められています。
2019年の問題は「海外送金 / マル優 / 投資信託」などの一部サービスのみでしたが、この2021年までの問題は「口座自体にマイナンバーを紐づける」と言うものです。
A7-5 預貯金口座の付番については、平成30年1月から預貯金口座へのマイナンバーの付番が始まる予定ですが、義務ではなく、あくまで任意となっています。
付番開始後3年を目途に、預貯金口座の付番状況を踏まえながら、適切にマイナンバーの提供を受ける方策を検討し、国民の理解を得つつ、必要な措置を講じる予定です。(2017年2月回答)
日本口座を維持しようと思うと、どうしてもマイナンバーの呪縛から逃れられないようです...。
こちらはまだ2年以上先のお話ですが、この問題もいずれはやってきます。
それまでにマイナンバーがどう動くかはわかりませんが、
- マイナンバーを取得しておく
- 日本の口座以外のサービスを利用する or 探す
を行なっておくべきです。皆様お気をつけてくださいね。
まとめ
- まずはあなたがお使いの銀行・証券会社に確認をしてみましょう
- その際に「海外居住者」であることは言わない事
- しかし、もし「マイナンバー登録しないと2019年から使えない」と言われたら潔く相談する or 「2019年の海外居住者へのマイナンバー付番」を待ちましょう。
- 仮に大丈夫であった場合でも、それは「今は」大丈夫なだけで今後どうなるかわかりません
- 一時帰国できる方は一時帰国してマイナンバーを取っておくのが無難です。
- それと同時に、マイナンバーに影響されない「あなたがお住まいの国で使える何か別のサービス」を探し始めましょう
- 証券会社周りを利用の方は必ず別サービスを探しましょう
- 海外送金でお困りの方はWiseを使うと大体解決でき、かつ最安で行う事ができます。
- マイナンバー制度めんどくさい
- 2021年問題も控えてる。やはりめんどくさい
いかがでしたでしょうか!
これが2019年以降、あなたがするべきマイナンバー問題への対処法になります。
記事でも書きましたが、相当マイナンバー制度はふわっふわした状態です。
今後の様子を見つつ、あなたの海外ライフに支障が出ないよう情報提供していきますね。
それでは良き海外ライフを!